精神世界の用語は自分に当てはめてみて、
その反意語も含めた両面の意味でとらえると、
そのいわんとする本来の言葉の意味が理解し易くなる。
昨日は「創造主」という言葉をとりあげた。
今日は、同じように「ありのままに生きる」ということを考えてみよう。
この意味も多くの方が誤解しているスピリチュアルメッセージの一つである。
自分に当てはめてみて、「ありのままに生きる」の反意語は何かと考えてみる。
それは、
「ありのままではない」つまり「何かべつのものに成ろうとする」
そういう生き方となる。
「今のままではない、別の何者かになろうとする生き方」
それが「ありのままに生きる」の反意語となる。
Being(ありのままでいる)に対してのBecoming(何かに成ろうとする)。
だから、
A 何かを目指しているとき、
B 努力して何かになろうとしているとき、
C より良き自分を目指しているとき、
そのとき人は「ありのままに生きてはいない」。
ここで逆説的現象が生じる。
そもそも「ありのままに生きよう」としているのは、
「より良き自分になろうと目指している」からこそだ。
「ありのままに生きる」ことを目指しているからだ。
それは、精神世界では「ありのままに生きる」ことが大切だと、皆が言っているから、
「ありのままに生きる」ことを目指しているのだ。
しかし、何かを目指すのは「ありのまま」ではないため、
この時点で「ありのまま」には生きていないことになる。
だから「ありのままに生きる」ことを目指すことは出来ないのだ。
出来ることは、上記ABCのような状態になっている自分に気付いていることまで。
「ありのまま」の自分の様に、気付くことまで。
気付いていくたび毎に、手放すこと。
それしか出来ない。
「ありのまま」に生きることを、人は目指すことは出来ない。
こうした言葉通りのことを目指していては、その真意に辿りつくことの出来ない
罠のようなものが、精神世界で使われている用語にはたくさんある。
写真はArt Swing の MAMIさんの絵 ”5月”