あたりの空気は充溢している。
密度は濃いのだが、透明度に満ちている。
曇った空のせいで、
木々の葉は自然な光を放つことが出来ている。
しかしそれは峻厳な光だった。
河はいつまでも静かに流れている。
途切れることのない流れが、
永遠を伝えていた。
岩はただそれを見つめている。
そしてあるスペースを創り出していた。
それは、すべてを内に取り込み、自然に戻していくスペースだった。
あなたが不自然でいることを拒否するスペースだった。
あなたは自然とのつながりを、
目でも耳でもないところで感じ始めていた。
本当に必要なもののみが残ろうとしている。
それがなにか、あなたはまだ認知出来ないでいる。
ただ言葉をまとえない何かに気付きつつあった。
セドナのキャセドラルロックの公園にて