竹の成長が早いのは、節それぞれに成長点を持っているからだ。
例えば、節が10カ所あれば、そのそれぞれが成長していく。
通常の植物の成長点は幹や枝の先端部分のみ。
それだけ、竹は光を求める性質が他より際立って強いとも言える。
ひょろりと長いがゆえの柔軟性を持ちながらも、節の存在が
竹の強さの秘訣になっている。
誰もが、かけがえのない今を、精一杯に生きようとしている。
しかし、生活の連続性や感覚の連続性に、
精神は鈍麻し麻痺してしまいがちだ。
そのような時、魂は、私たちの精神に、竹の節目のようなものを要求してくる。
精神の連続性を、惰性を、思考や感情のパターンを、解き放てと、要求してくる。
それは何か大きな事件かもしれないし、内的な確執や動揺といった類の
ものかもしれない。
ずっと内的にくすぶってきたものの爆発なのかもしれない。
外的・内的な出来事や人との出会いを契機として、生じる何か。
それが、あなたに「変化」を要求してくる。
そしてその「変化」に向けての「覚悟」を要求してくる。
私たちも、竹に負けず劣らず、光を求めて成長していく存在だ。
これら「覚悟」を成し遂げていくとき、私たちの精神に「節目」が刻印される。
この刻印が多ければ多いほど、それらのすべてが成長点となり、
私たちの成長は、早まることだろう。
柔軟でありながら、強さを、併せ持つことが出来るだろう。
そして、逆説的だが、この刻印があるからこそ、
私たちはかけがえのない生命の持続感を持てる。
それは、
惰性に生きないから。パターンに生きないから。
「永遠の今」を生きうるのだから。
鎌倉の報国寺