オーラが伝えるすべて

沢渡和がオーラやチャクラ、チャネリング等 スピリチュアルなこと全般についてお伝えしていきます。

いろいろありました 2

随分、間が空いてしまいましたが 前回 の続き。


天井の低い、隣の車との間隔も狭い駐車場に閉じこもって、
JAF(英国ではAA)の人が来るのを、ひたすらに待っていました。

私は車の中にいるのも窮屈なので、外に出て文庫本を読んでいました。
時折、出庫しにくる、おそらく近くでディナーをとってきたであろう
カップルや家族連れに、怪訝そうに見つめられます。

「確かこの日本人、私たちが来たときも外でああして本を読んでいたわよね」
そう言う会話が聞こえてきそうでした。

2時間半ほど待ってからのことです。
真っ黄色の服を着た人に窓を叩かれました。

私はすがる思いで車の外に出ます。
満面の笑みだったかもしれません。

「天井が低いので中に車を入れることが出来ない。駐車券を持って一緒
に外に出て今後のことを考えよう」

ほぉ。

きっとAAの車が外に止めてあるのでしょう。

地下3階にいたので、1階に当たるところまで彼とお互い自己紹介をしながら歩いて行きます。
なかなか良さそうな人です。親切そうな人です。ハートフルです。心の緊張が、少しばかり緩んできました。
AAの人、ポールソンみたいな名の人でした。はっきりとは覚えていません。


さて、この駐車場に入るときにひとつ不思議だったことがありました。

通常、日本の駐車場は、車を出し入れするときのゲートは、踏切のような
遮断機が昇降して車の出入りを制限していますよね。

この駐車場では、遮断機ではなくて、シャッターが完全に地面と天井まで昇降する
方式だったのです。しかも、かなりのスピードで。

「通常の遮断機では、治安が保てないのだろうか」そう思いながら入庫したのでした。

そのシャッター方式が、後々、自分に関係してくるとはその時には思いもせずに。


彼ポールソンがシャッターの前で待機しようと言います。

「車が出入りする瞬間に、シャッターが開く。分かるか?」

「分かるよ」

「その瞬間にダッシュだ!」

「えっ?」

「今、駐車場の係員がいない。だから開いた瞬間にダッシュするのが良い。この直ぐ近くに車は止めてある」

「えっ、マジですか。ちょっと位、歩いてもいいから通常の歩行者出口から出ませんか・・・」
「おっ、いまだ! Let’s Go !」

「えーっ」

いきなり彼ポールソンは走り出します。

ここで彼が出て行ったところでシャッターが閉まり、無情にも私だけ置いてけぼりを食ってはたまりません。
最悪の場合、挟まれたり。
彼をつかむように私も走り出しました。

「待って!」

思わず日本語も出ます。


何時間か振りに外に出ると、既に辺りは暗くなり始めていました。

この時期の英国は、夜9時過ぎ迄明るいのです。


AAのこれまた真っ黄色の車の助手席に案内されます。
こんな車に乗るのは初めてだなぁ。しかも異国で。


いろいろと私の車に対してするべき作業手順の説明を受けた後、

But、
「この駐車場に入れる小さいAAの車を手配しようにも今日はもうダメだったんだ」
「君はいつまでこの街にいる?」

今日はもうすでにここから50キロ近く離れたホテルを予約しています。
でもここの近くのホテルに変えてもいいですよ。

そう言いました。

「予約したホテルはどこだ?」とポールソン。

ホテル名を告げると、彼は行ったことがあるらしく、

「そのホテルはとても素敵なところだ。是非行くといい。」

そうなのです。次回ツアーでより良い場所がないかを探しているのですから
いいホテルなのです。
英国の田舎は素晴らしく、既にもう次回英国ツアーの開催は決めていましたらから。
でも、車でも行くのが大変な田舎なのですけどね。

さて、突然、彼はあちらこちらに電話をかけ始めます。
しばらくして、

「手配は済んだ」

  なんのことですか??

「この後、君の車を牽引してホテルに連れて行く。今日はそこまで。
 そのホテルで明日の朝、作業をする。そうすればすべてOKだ」

いや、でも牽引されて50キロも走って、その翌朝も来てもらって、またそこで作業というのは大変ではないですか?(お互いに・・・これは言えなかった)
だから、この近くのホテルに今晩泊まるのはどうだろう。

「いや、もう手配は済んだ」

  (はい。ご親切にどうも)

「だから牽引車が来るまで、またしばらく駐車場で待っていてくれ」

   えっ?


誰がいつ頃来るんですか???

あなたが来てくれるのではないのですか????


「僕には他の仕事がある」


彼は英国のジェントルマンでとても親切なのです。
でもね。
また今後どうなるか分からない状況に身を置くことは精神的にも肉体的にも極めてつらいのです。


しかし。折角、親切心から手配してくれたこと。
ここは彼と宇宙を信頼して(笑)もう成り行きに任せようとも思っていました。
英語で一から交渉するには疲れていたこともあります。


「何かあったらここに電話を。30分から1時間で牽引車は到着すると思う。じゃぁ、またあのシャッターをうまくくぐり抜けてくれ。KAZU! Bye」



さて、再び、駐車場で待ちます。

10分。
30分。
1時間。


しびれを切らして、電話します。
私の名前を名乗ると、なんとその名前だけで状況がすべて通じているようでした。

  言葉の不自由な日本人が困っている。なんとかしてあげなきゃ。

その気持ちだけは電話越しに感じます。


「今まさにそちらに向かっている。あと5マイルだ」

電話でそう言われます。
5マイルというと、10分から15分位かな。


10分。
20分。

もうなるようになれと思っているので読書に集中します。


30分。
40分。


20マイルはもう走れているでしょう。これだけの時間があれば。
再び電話します。

だんだん、iPhoneのバッテリーも無くなってきています。
こういうとき、バッテリーが持たないのは焦るぞ。ジョブス。


電話すると、
もう声で分かってくれているようです。

「おぅミスター。もう今、上についたようです。すぐです。すぐ」


すぐか。。。
すぐとは多分20分だな。

読書しながら、車のなかで待ちます。



10分ほどしてやってきたのはポールソンでした。

でも、牽引車なしで。
歩きで。
しかも、普段着で。


まず笑ってしまった。お互いに。



で、何がどうなったの?


     I’m sorry. Kazu.


嫌な予感がします。。。



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