ひとたび持ってしまった権利や利得はなかなか手放せない。
社会や人間にとって本当にやっかいなのは既得権益だと思う。
あらゆる諍い事争い事や戦争はこの既得権益を巡るものだろう。
既得権益と聞いて思うのは、一度見始めたり読み出した映画や小説がつまらなかったとき、どこで辞めるのかという自分のなかでの躊躇。
とりあえず最後まで見てしまってから判断するか、つまらないと感じ始めた時点で潔く辞めるか。
この喩えはあまり既得権益とは関係がないですが、こういうときにさっと辞められる人は既得権益も潔く手放せるのかと思ったりして。
社会に害悪を与えるのはこの既得権益。
古い既得権益層を破壊しても新らしい既得権益層が出来るだけなのを何度も何度も繰り返しているのが私たちの歴史。
では、翻って自分の持っている権利を手放せるのか?
手放すには常に多大な努力と新たな創造性に溢れていなくてはならない。
大きな意味ではスキルや何らかの技術とて既得権益の一部だと思う。
自分で自分の持っているものを手放すことは、肉体を持つ人類が自ら率先して行うことはたぶん無理。
だからそのような制度や仕組みを社会に内在させないことには、どのようなこともいずれ戦争での勝ち負けで終わる。
でも、今、利息や株主主権のシステムをはじめあらゆる制度や仕組みが既得権益を保護している方向に向かっていて、だから争いが激しくなる。
植物の世界はいいねえ。冬になると枯れて。
冬のルルド