A ポジティブシンキングなり「愛」や「感謝」の気持ちですべてを見なさい。
B あなたはそのままで既に完璧なのであなた自身の「あるがまま」でいなさい。
C すべては愛であり、またすべては完璧なので信頼と感謝が大切。
こうした本が売れている。ここ15年程はそうではないか。
いや、ずっと前から何千年とこうなのかもしれない。
A →ポジティブでいた場合の成功事例が多数紹介される。
B、C →チャネリング本に多い。
行き詰まった人がこうした本を手にとってみるわけだし、そもそも
「自らの課題やブロックを解消してより楽になっていく」
というのが人生のひとつの役割でもあるから、生きている人の誰もは、
何らかの課題を持っていて多少なりとも行き詰まっている、と言える。
だから、解決策をシンプルに提示した本は皆が飛びついてくれる。
私たちの不幸や行き詰まりは、果たして、
1 ポジティブマインドや愛や感謝の気持ちが足りなかったから
2 自身の「あるがまま」でいなかったから
3 「すべては愛である」という認識や信頼、感謝の欠如
によるものなのでしょうか。
まず、不幸や行き詰まり感を持っていない人はいても、
123どれにも全く当てはまらない、という人はいないでしょう。
程度の差こそあれ、皆に当てはまります。
だから、不幸でない人も、もっと幸福になれるかもしれない、
そう思わせる事例が本のなかにはたくさん紹介されています。
加えて、宗教組織と違って、ABCを実行するのに、お金がいりません。
すべては「気持ちの切り替え作業」だからです。
たとえ実行してうまくいかなかったとしても、24時間ずっとポジティブ
マインドで愛と感謝に溢れた人な人は、皆無でしょうから、まだまだ私の
努力が足りなかったのかもしれない、そう思います。
お金は本代以外には発生していないのと、
その本を選んだのは他ならない自分なので、
読者の多くは、さして被害者意識に陥ることなく、
むしろ努力の足りなさを反省してくれる。
こういう背景からABCの内容の本は売れます。
ABCのようなセッションやセミナーも同様の理由で売れていきます。
売れると箔が付き権威が付くので、読者の間にますます信用しようかな、
という気持ちが生まれます。
時折、内側で芽生えてくる「本当だろうか」という気持ちを閉じ込めていきます。
社会心理学用語がいうところの「認知的不協和」を解消する訳です。
ABCを実行してうまくいった人は、ますますポジティブになり感謝に溢れ、
その本への感謝の賛辞を捧げていきます。
ABCを実行してもうまくいかなかった人は、努力の足りなさを反省します。
10%の人がうまくいき、90%の人がうまくいかなくても、問題ありません。
10%は宣伝をしてくれ、90%は反省か離れていってしまうだけですから。
この勢いを止める勢力はないのです。自分の内側にも外側にも。
果たして、そこまで考えて自己啓発本なりスピリチュアル本セミナーは
作られているのでしょうか。
分かりません。
ただ、売れる傾向・潮流に著者も出版界も乗っていくと、自然と現状のような
出版セミナー状況、スピリチュアル状況になる、ということでしょう。
でもね。悪魔のような策略家はいるものです。
『注意は必要なのです。悪は注意深く避けなくてはなりません』
さて、私が書いた「前言」はポジティブではないですね。
感謝や愛があるようにも見えません。(見えないだけで少しはあるんですよ)
このようなネガティブな発想をする私は、はてさてどうなってしまうのでしょう。
続きは次回以降。