平らな木の板に、棒状のスティック木を廻しながら押し付け「火種」を創り、その火種を可燃しやすいもので包込み、息を何度か吹きかけ酸素を入れていく。
この錐揉み(きりもみ)式火起こしの方法が、人類がおこなったもっとも原始的な火起こしの方法だと思う。
昨日の月例セミナーで、この「火起こし」を実演していただき、初めて、自然発火の瞬間を、目にすることが出来た。
火種はすぐに出来、それを包み込み、息を何度か吹きかけると、急にボッと想像以上の火が湧き上がる。
演者が慣れているからだろうが、ここまでの時間は5分もないのだが、濃密な時間だった。
原始の火の顕現する瞬間に立ち会えて、感動だった。
その火を用いた瞑想も、これまでになく力強いものとなった。
火は古代から現代に至るまで、神聖な儀式では不可欠なものである。
多くの宗教のもとになっているゾロアスター教では、「火」そのものを神聖視している。
・火は物を燃やし、その後の灰から新しい生命が生まれる。それは、終わりからの新しい始まりや、再生を象徴している。
・灰は、この世とあの世を結ぶ。
・火は燃える力とそのエネルギーで私たちに活力を与える。
・火は天と地を結びつける。
・物質を燃やすことで固定的停滞的なエネルギーを流動的なものに変えていく。
・火は、純化していく力を持つ。
・火の明るさは、私たちが物事をよく観ることが出来るようにしてくれる。
また「火」は太陽神経叢のチャクラとの関係を持つ。
太陽神経叢のチャクラは、その近くに丹田があることからも、意志や意欲と関係を持つ。
「こころに火をつける」「こころに火を灯す」などは、人や自分の意欲や新しい情熱に駆り立てられていくことを示す。
3つの「火」
天からの火:太陽の光
地からの火:マグマ、火山
私たちのなかの火:意欲、意思、覚悟。
【火の瞑想】
~蝋燭などで火を灯しながら行うとより良いものになります~
1) 自らのハートの内側に(外で灯っている)火をみていく。
2) その火がからだの細胞に広がっていく。
3) 私のなかのいらないもの、不愉快なもの、怖れを火にくべていく。
4) 火が、不安を解消していきます。
5) 火は、罪悪感を燃やしていきます。
6) それらが灰となり天に昇っていく。
7) そして天から舞い降りてくる祝福の光が降りそそぐ。
いろいろなものが崩壊しつつある昨今。
自分でも気づかないうちに、心がざわつきがちだと思います。
そんないまだからこそ、「火」の瞑想は大切です。