オーラが伝えるすべて

沢渡和がオーラやチャクラ、チャネリング等 スピリチュアルなこと全般についてお伝えしていきます。

欲望と不安と引きこもりと

ビジネスは、「誰かに合わせる」ということで成り立っている。

「誰かに合わせる」ものをマーケティング用語で「ニーズ」と
呼んだりしている。
出来るだけ多くの人のニーズにチューニングしていく能力の
高い人が有能なマーケターとされています。

この「ニーズ」は資本主義社会でなければ生まれなかった
発想法でしょう。
相手の欲するものを、それがまだ顕在化していないうちに、
「実はあなたが欲しかったのはこのようなものではありませんか」
といって提示することは、ある種の創造性を必要とします。

社会主義国家の計画経済は、全国民の衣食住を満たすことに
その目標があるわけですから、ニーズは最低限の衣食住を満た
すで良かった訳ですから。

資本主義も初期の頃は、この潜在的ニーズ汲み取り能力の活性化
によって、それまで「不便」だったものが、次々と快適になっていきました。
古いところでは、車、オーディオ、冷蔵庫、TV、PC、携帯などなどです。

「それまでの不便を解消する」という方向でいたニーズの汲み取りが、
経済の発展に伴って「不便の解消」から「欲望の一層の充足」へと向かう
ようになりました。

先進国のなかでは、多くの不便は既に解消されてしまっていたからです。
一方、資本主義は拡大という仕方以外では自らを生存させることが
出来ない。
だから他者の欲望を刺激し充足させていくことに、創造性のパワーは
向かいます。

そして、欲望の充足は、さらなる欲望の充足へと向かいます。
欲望の充足は不安からの逃避や解消の側面もあるので、現在のマーケ
ターに必要とされている能力は、他者の欲望や不安を刺激することとなっ
てしまいました。

ずっと以前から、宝飾品や香水、高級ブランド品などの贅沢品の宣伝
は、セクシャルな雰囲気漂うものでしたよね。

こうしたものは必要不可欠でなく、またそれを持つことが何かの不便の
解消につながるわけでもありません。

だから必然的に、ダイレクトに人の欲望を刺激する形式となる。

いま、先進国でちまたに溢れている商品群は、とくに不便を解消する
ものではありません。
一層の欲望を刺激するものが大半です。
マーケターに必要とされる能力も随分と変わってしまった。
不安を煽り、欲望を刺激する仕事へと。


資本主義社会は消費社会でもあり、消費を通しての自己実現を煽られ
ていく社会でもあるので、自分の欲望に肯定的でない人は、社会自体
について行けなくなっています。


仕事でも消費活動でも周囲の人たちとの日常会話にも。

引きこもりたいという気持ちの背景に、こうしたこともあると思います。


いいのですよ。

それで。

積極的に、そして前向きに引きこもりましょ。

                                                                                          • -

(補足)

消費社会の変化を見てみたくて、出版物ベストセラーの新旧タイトルを
調べてみました。

まずは、まだまだ高度成長で世の中が様々な不便に充ちていた時代、
1970年のベストセラーのタイトルを見てみましょう(2007版指標より)。

1位 『日本万国博公式ガイドマップ』
2位 『日本万国博公式ガイド』
3位 『冠婚葬祭入門』 塩月弥栄子
4位 『誰のために愛するか』 曾野綾子
5位 『創価学会を斬る』 藤原弘達
6位 『私の人生観』 池田大作
7位 『心』 高田好胤
8位 『(続)冠婚葬祭入門』 塩月弥栄子
9位 『スパルタ教育』 石原慎太郎
10位 『道』 高田好胤

生活上のいろいろな不便を、書籍の分野でも解消していたことが伺われます。 

5位と6位は面白いですね。ちょっと読んでみたい(笑)
7位と10位の高田好胤氏は薬師寺の僧侶です。

ところで石原家ではスパルタ教育をした結果、あのようなご子息と
なられたのでしょうか。
自分の子どもを、あのようなご子息に育てたい親は一読されると
良いのでしょうね。

さて、ほとんどの不便が解消されてしまった40年後の、
2010年のベストセラー(トーハン調べ)。

1位 『もし高校野球の女子マネジャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』 岩崎夏海
2位 『巻くだけダイエット』 山本千尋
3位 『体脂肪計タニタの社員食堂』 タニタ
4位 『ポケットモンスターブラックホワイト公式完全ぼうけんクリアガイド』 
5位 『1Q84(3)』 村上春樹
6位 『ポケットモンスターブラックホワイト公式イッシュ図鑑完成ガイド』
7位 『伝える力』 池上彰
8位 『新・人間革命(21,22)』 池田大作
9位 『創造の法』 大川隆法
10位 『くじけないで』 柴田トヨ 

こうやって新旧を比較してみると、なんだか面白くないですか。

70年の 『スパルタ教育』 が 『くじけないで』に。
『誰のために愛するか』 が 『巻くだけダイエット』に。
『冠婚葬祭入門』 が 『もしドラ』に。
『万博』 が 『ポケモン』に。
創価学会を斬る』 が 『1Q84』に。
『心』 が 『伝える力』に。
『私の人生観』 が 『新・人間革命』や『創造の法』に。。。

。。。また大っきく風呂敷、拡げてますね〜



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  ボロブドゥール寺院での朝焼け