題名に惹かれ、DVDで観た。
福島出身の監督によって脚本が書かれ撮影された映画。
- 出版社/メーカー: ギャガ
- 発売日: 2018/02/02
- メディア: Blu-ray
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福島いわき市で公務員をする女性が主役の映画だった。
311から5年後が舞台。
耕す土地も家も「立ち入り禁止区域」となっているため仮設住宅で暮らしているのだが、父親は気力を失いパチンコに明け暮れている。
仮設住宅では、今でもこの映画で描かれている閉塞感のなかで、呼吸をすることも苦しいのだと思う。
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エネルギーバンド(エネルギー帯)とでもいうべき、ある特有のエネルギーが辺り一体を覆っていることがある。
それは、家族、組織や会社であったり、地域であったり、国であったり。
日本のエネルギーバンドから抜け出したくて、最近、台湾に行ってみた。
都会特有の重いエネルギーバンドがことに平日の日本にはある。
休日や年始にはそのバンドが緩むかあるいは消えているとはいえ。
セドナツアーに当たっての内的準備という意味合いもあった。
『セデック・バレ』という台湾人のほとんどが観たと言われている、台湾原住民と日本統治時代の確執を描いた映画の影響も大きい。
目論見通り、ゆるやかなリラックスしたエネルギーバンドのなかで、ゆったり出来た。
台湾の温泉を感じたくて温泉地で一泊したのも良かった。
以前台湾に行ったのは、35年近く前であったこともあり、その後、どのようになっているか、もう一度、観てみたかった。
当時はまだ戒厳令下で、ホテルでも客室以外では政治的な話しや質問はしないで下さいと通訳の方に頼まれた。
いや、場合によっては客室であっても危ないかもと。。。
今回は空港を降りてタクシーでホテルに向かっているわずかな間に、驚きがあった。
人々に品格があり優しくゆったりとしている。
道路の中央はどこも街路樹が植えてあり小鳥がさえずっている。
街に、ほとんど臭気はなく、どこかヨーロッパ的な雰囲気さえある。
韓国や中国、アメリカと比して道路などのインフラが丁寧でしっかりしている。
「私は他者を信頼している」そんなエネルギーバンドがある。
以前は1984年だったと思うが、それからわずかの間に台湾という国はここまで来たのか、と感慨深かった。
政治的に良好な状態が続けば、ますます良い国になっていくだろう。
翻って日本はどうだ。
政治的には呆れるほかないというか、安倍内閣には怒りしかない。
特にこの数日の国会では。
あの内閣の存在が、一層日本のエネルギーバンドを重く不自由にしている。
政府にはアメリカの意向は無視して、日韓台でのアジア友好を考えていって欲しい。
一部の官僚はそのことを理解していて日台交流は活発と聞いている。
台湾人は日本人に非常に友好的だ。
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福島の仮設住宅に住む人々の間には、また原発近隣の人々には、映画が放っている特有のエネルギーバンドがあり、その閉塞感から抜け出したくなって当然だろう。
主人公はその活路を週末、東京での風俗の仕事に求める。
きっと、自分のなかで、暴れ廻りかつ腐っていきそうな内面を維持するには、人肌に触れることが必要だから。
きっと、非日常へと抜け出すための、新しい自分の顔が必要だから。
新たな自分の居場所と新たなチャレンジが必要だから。
だから、もちろん『間違いじゃない』
映画を観ながら、以前、311から一年ほど経った後、小出先生の講演会のお手伝いをさせてもらいに福島に行ったことを思い出した。
真実の持つ力 - オーラが伝えるすべて (akua の沢渡和)
このときはまだまだ原発や放射能がどうなっていくか分からず、福島は非日常性のただなかにあったように感じた。
311から7年。
日常のなかでの、つまり出来上がったエネルギーバンドのなかでの、閉塞感からの脱皮が、個人レベルで始まっていく時期をいま、迎えていると思う。
「7」とはひとつの周期を表す。
今、「7」がもたらす力によって新たなステップを始めることを支援する力が働いている。
なにをグズグズしているのだ。
次の段階に、日本も、福島も、いわき市も入っていって欲しい。
映画のように。
政治が先導してくれればもちろん楽だが、あの政権には期待すまい。
いや、あの政権はもはや倒すべき対象でありこそすれ、期待すべき対象ではない。
大きなものには期待しないことを心がけよう。
エネルギーバンドの在り方が「文化」を形作っていく。
日本にいながらでもそして福島でも、出来るだけ自由でゆったりとした軽やかなエネルギーバンドにシフトしていきたいし、していって欲しい。
まずは己からだろう。