「正論」や「べき論」を振りかざすひとの近くにはいたくない。
企業や社会にとってコンプライアンスがお題目になってからというもの、ますますこのようなひとが増えてきているように感じている。
「正論」は、誰にでも言える。
価値がないとまでは言わないが、本当に価値があることは現実と正論との間を埋めるステップにある。
これを考えるのは難しい。しかも現実は変わりつづけていくのに合わせて、ステップを常に再検討していかなくてはならない。
それだけではない。
正論はそれが正論であるがゆえに反論が難しく、かといってどうすれば良いか分からない場合では、ひとを追い詰めダメにする。
正論を言う人には「現状とのギャップをどう埋めるかこそが難しい」と言って、わたしは敵を増やしてしまうのだが、正論がひとをつぶしてしまうことを分かっていない人が多い。
正論を言うのが仕事と勘違いしているビジネスマンも多い。
さて、仕事の場合は、思考を使うことが求められるが、個人の人生の場合はそれとは違って「思考」ではなく「ハート」を使うことが求められている。
「ハート」はそれまでの土俵と違うところに導いてくれる。自分が正しいと思い込んでいた正論が誤っていることへの気づきが得られることも多い。
企業の場合は、いきなり土台を変えることは難しく、かつ正論でない方法で皆を説得するのは至難のワザなので、「ハート」に聞いてもその実行が難しいでしょう。「思考」で現実を考慮した実現ステップを考えるに限る、というのが私の今までのコンサルティング経験とカウンセリング経験から導き出していることです。
人生まで「正論」や「べき論」に支配されていると、疲労困憊し燃え尽きます。
現実はいつでも「挑戦」という形で人生に迫ってくるからです。
もとより「正論」に従う人生はつまらない。
だからこそ「ハート」に立ち還る。
「魂」を通して、あなたにメッセージや「あるべき在り方」を伝えてくれるのが「ハート」なのです。